琴子が到着するとそこには一羽のうさぎがいた。
 白いふわふわの毛で覆われてぼわっと輝いている。

「なでなでうさぎさん……?」

「はい……?」

 なでなでうさぎは琴子を見つけると、軽く会釈をする。

「ミコ様、恐れ入ります」

「なでなでうさぎさん、神社の神主様が困っているんだけど帰りませんか?」

「嫌です」

「どうして嫌なんですか?」

「だって……」

 琴子はじっとなでなでうさぎの言葉に耳を傾ける。

「だって……、みんな可愛いとばかりいうから嫌なのです!!!!」


「は…?」


 琴子は思わず口が悪くなった。