琴子の願いも虚しく、3時間探してもまだ見つからなかった。

「ミコ様、やはりあの方たちにご依頼をするほかないのでは……」

「ミコ様、私もそう思います」

 日和と葵が共に琴子を見つめる。
 琴子は覚悟を決めた表情をすると、大声で呼んだ。


「狛犬たちよ!ここに集え!!!!」

 そういうと、数秒もたたないうちに狛犬総勢20体が集まった。
 なでなでうさぎは実態が主に魂、つまりその正体は精霊のようなもの。
 それでは、と琴子は同じ精霊である狛犬に召集をかけた。

「狛犬さんたち、神社のなでなでうさぎがいなくなりました。一緒に探してほしいんです」

「仰せのままに、ミコ様」

 狛犬たちは頭を下げてお辞儀をすると、一斉に各地域へと探しに行った。

「お願い、見つかって……」


 しばらくして、狛犬の一体が琴子のもとへ戻ってきた。

「ミコ様、それらしきうさぎの精霊がおりました」

「ほんと?!」

「しかし帰りたくないの一点張りでして……」

「帰りたくない……?」

 何があったというのか。琴子はそのなでなでうさぎがいる場所へと向かった。