恐る恐る紙切れを見るとなにやら文字が書かれていた。


『さがさないでください』


「さがさないでくださいだって。……あれ?じゃあ盗まれたんじゃなくて自分で出て行ったの?」

「そのようですね」

 琴子はしばらく考えた後、宣言した。

「よおし!とりあえず、神主さんも困ってるし、なんで出て行ったのか探して聞いてみよう」

「かしこまりました」

 すると、琴子は得意げに葵に向かって言う。

「葵!いつもの!!」

「かしこまりました」

 そういうと葵は指笛を鳴らした。
 しばらくして、一頭の鹿がやってくる。

「今日も探してほしい人がいるんだけど……」

「かしこまりました。本日はどのようなお方を探せばよろしいでしょうか」

「この神社のなでなでうさぎを探してほしいの、姿は……うさぎになってるのかな?とにかくうさぎさんを探してほしいの!」

「仰せのままに」

 そういうと、一頭の鹿は神社の境内を去っていった。

「よおし!私たちも探すよ!」

「かしこまりました」
「かしこまりました」

 琴子は胸を張って叫んだ。

「なでなでうさぎ捜索活動、開始!!」

 こうして、なでなでうさぎ探しは幕を開けた―