「あ、学年同じだと思うけど、崩して話さない?」
「あ、そうする!」
私がそう言うと、あいさんは「よかった」と笑った。
そして、私は本題に入ろうと息を吸う。
「あっと、あいさん! 私、あの、あいさんとは」
そこまで言ったところで、私の言葉は遮られた。
「その話は、いいから。 それよりさ、答え合わせをさせて?」
「……答え合わせ?」
「そ」
うなずくあいさんを見て、私は首を傾げた。
「まあ、俺の話をナノちゃんが聞くだけなんだけど」
――あ、ナノちゃんって呼んでくれた。 なんだか懐かしいような、変な感覚に陥る。
でも、そんなことはどうだってよかった。 私はあいさんの言っていることの大半を理解していない。
あいさんは私が好きで、ラブレター送って、その返事を聞くために私をココへ呼び出したのではないのだろうか。
「まあいっか。きかせて?」
「うん。 じゃあまず、確認ね。 手紙の差出人AIが、藍なのは、分かってるよね?」
「うん? た、たぶん」
「あ、ややこいね。 AIをローマ字読みで、あいってこと」
グルグルとたくさんの ?が回っている頭の中から、せいいっぱいの力を屈指して答えを引っ張り出した。
「つまり、あいさんはただのヒトで、エーアイじゃないの?」
「そういうことです」
あいさんがニコっと笑う。 束の間、真剣な表情へ切り替わる。
「で、なんだけど。こっからが本番だよ」
「本番?」
「今のは序章の序章ってこと」
私は頷き、あいさんの次の言葉を待った。