「ナノちゃん、どったの?」

 私の奇行を一部始終見ていたのか、訝し気な視線を向ける友達のカヤちゃん。

そういえば、休み時間の真っ最中だった。 いやあ、恥ずかしいったらありゃしない。

だけど、カヤちゃんにはご報告。 なんでも話せる最高の心友に、かくしごとはゼロ。

「じゃっじゃーん!ラブレターもらっちゃった!」

 どどーんと効果音が付きそうな感じで手紙を突き出し、カヤちゃんに見せつける。

 すると予想通り、カヤちゃんの瞳にキラキラしたハイライトが入る。

「まじでー?!さっすがナノちゃん!」

「えへへー」

「誰から?」

「んー、ひみつ!」

 前回撤回だ。 どんなに気を許せる友達でも、かくしごとの一つ二つはある。

誰だって体重とか、少し盛ったりするでしょう。 うや、逆だった。

まあ、それくらいのウソツキは全然許容範囲なのである。