――MMCDIII(2403年).IV(4月)



 AIの普及により少人化が進むイマの世界、「ヒト」と「AI」の共存なんて当たり前だ。


 現代のAIは、初期の頃のものとして世界遺産に登録されている”ペッパー”のようなカチコチロボットではなく、見た目はヒトと同形だ。


生まれたばかりの赤ちゃんに脳手術を施し、小さめのチップのAIを入れる、という用途をマシュー・リード博士が発明してからは、世界中でたくさんのAIが製造されている。 もちコース日本も例外じゃない。
 

 クラスの三分の二はAIだ。

五年ほど前に、学校にもAIの導入が始まった。

理由としては”学生が快適な授業を受けるため” ”AIの共存をより身近に”というものがあると聞いたことがある。


SNSでは〝人間を絶滅危惧種に指定すべき〟〝AIの暴走の可能性〟といったような「AI販売停止推奨運動」も結構あったりもするけれど、正直私はどちらでもよかった。


 AIに「ココロ機能」がついているからだ。 AIにも感情がある、というそのまんまの意味である。 

 おかげで私にもAIの友達ができたし、充実した学校生活も送れていた。

昔の流行言葉で言うのならば「アオハル」という感じだ。 まあ、AIとヒトの婚約は法律上認められていないけれど。