「ありがとう……。俺も湖雪がすきだ。きっと湖雪よりすきだと思うぞ?」

意地悪気に囁く惣一郎。

「わっ、私の方がすきですよっ!」

「俺も負けない。俺、湖雪のことずっとすきでいると思うんだ。だって、すきだって思った日より今の方がもっとすきなんだ」

惣一郎は腕を緩めて、そっと身体を離した。湖雪は離れた体温に不安を感じたが、惣一郎は湖雪の顔を覗きこんで、そんな不安も吹き飛ばす微笑みを見せた。

「だから湖雪……改めて言うよ。早子様もいらっしゃるし、正式に申しこむ。……大すきな湖雪。俺と結婚してほしい」

そっと両頬を捉え、恥ずかしさに視線を泳がせることも許さなかった。

「……はい。私を、惣一郎様のお嫁さんにしてください……ずっと」

「ああ。愛してるよ、湖雪」

湖雪の大すきな微笑みとともに囁かれ、湖雪は真っ赤になった。

「そうっ」

恥ずかしさに焦って口を動かすと、舌を噛んでしまった。

「~~~~~っ」

「湖雪っ、大丈夫か?」

口を押さえて顔をしかめる湖雪を心配して惣一郎も慌てた。

「だいじょうぶです……すみません」

「謝らなくていいよ」

惣一郎はそっと湖雪に手を差し出した。

湖雪は惹かれるようにその手を取った。そのまま、惣一郎は湖雪を抱きこむ。