「蒼司。今日、お母さんどんな様子だった?」

姉が夕飯を食べながら訊ねた。

「リハビリがけっこうキツイってぼやいてた」

「そりゃそうよ。股関節にボルト入れてるんだから」

「週末くらいに主治医の先生とリハビリの先生が、少しリハビリ計画を話したいから時間作ってくれってさ。姉ちゃん、時間開けれる?」

「シフトを見てみないとなんとも言えないけど、わかった。何とかする」

「たかが骨折と思ってたけど、派手にやらかしたんだな」

「そうね~更年期かしら。毎日、ジョギングとか運動するの大事ね」

姉が他人事のように言う。

「姉ちゃんも運動した方がいいんじゃない? 看護師、体が資本じゃん」

「わたしは毎日、起きた時と寝る前にラジオ体操してるから大丈夫よ」

「ラジオ体操、懐かしい」

「バカにしてるわね。ラジオ体操、ちゃんとやるとスゴく効果があるんだから」