「もしかして、結城さん。あの浅田さんに『自分より体重の重い女と付き合う気はない』って言ったとか?」

「ああ、言ったな」

「ヒャーーっ 恐い」

「賑やかな奴……」

「えっと……オネェがいいとかではないんですよね!?」

「オネェって、ニューハーフ?」

「……はい、そうとも言いますね」

「それも、噂か?」

「あの……愛里からオネェ様とキスしてるとこ、見た人がいるって」

結城は長く深い溜め息をつく。

「そのオネェって、多分……姉貴」

「へっ!?」

「ハグとかキスとか、日本人は殆どしないけど、アメリカでは挨拶みたいなもんだがな」

「お姉さん?」

「姉貴は体格いいし、男顔だから。ん……宝塚みたいなって言えばわかるか?」

「ん…… ……なんとなく」