愛里は笑いながら訊ねる。

「うん、変わったスキルだなって言われた」

「何、その反応」

「驚き過ぎて呆れたのかも……」

愛里は笑いを堪えきれず、声を上げて笑う。

「そんなに笑わなくても」

紗世は駐車場で襲われた日の、結城の様子を思い出しながら、頬をぷくり膨らませた。

結城から貰った会員割引チケットでのバイキング。

紗世は洋食、中華、和食どれも美味しいと感じたが、1番美味しいのは和食だと思う。

相田からも「結城は食事制限も自己管理も徹底している」と聞いている。

結城は出先でも和食しか食べない。

――和食が1番美味しい店を結城さんは、紹介してくれたのかも知れない

紗世は愛里が、結城の気遣いや細かな優しさは知らないだろうと思う。

少し優越感を感じながら料理を味わう。