紗世は結城の鞄を開ける罪悪感と、鞄を開けていいと言われた表しきれない気持ちに戸惑う。
きちんと整理された鞄の中身は、結城の性格を表しているようだと思う。
子供の頃、風邪で熱が出た時、母親から額に貼ってもらった冷却シートを大人になっても持ち歩いている結城。
紗世は母性本能を擽られ、「こっち向いてください」と、優しく言ってみる。
結城は前髪を手で上げ押さえ、紗世に顔を向ける。
長い睫毛、形よく整った眉、二重の瞼、スッと通った鼻筋、薄い紅を引いたような唇、紗世の胸が早鐘を打つように激しくなる。
大きな茶色っぽい、潤んだ瞳が、じっと紗世を見つめている。
「そんなに見つめないでくださいよ~」
頬が火照り、冷却シートを持つ手が震える。
結城の額にペタリ、冷却シートを貼り付けると、結城は小さく「ありがとう」と口にし、机に突っ伏した。
きちんと整理された鞄の中身は、結城の性格を表しているようだと思う。
子供の頃、風邪で熱が出た時、母親から額に貼ってもらった冷却シートを大人になっても持ち歩いている結城。
紗世は母性本能を擽られ、「こっち向いてください」と、優しく言ってみる。
結城は前髪を手で上げ押さえ、紗世に顔を向ける。
長い睫毛、形よく整った眉、二重の瞼、スッと通った鼻筋、薄い紅を引いたような唇、紗世の胸が早鐘を打つように激しくなる。
大きな茶色っぽい、潤んだ瞳が、じっと紗世を見つめている。
「そんなに見つめないでくださいよ~」
頬が火照り、冷却シートを持つ手が震える。
結城の額にペタリ、冷却シートを貼り付けると、結城は小さく「ありがとう」と口にし、机に突っ伏した。