「ええっ⁉ どういうこと⁉ 自分、どうなってんの⁉」
「つまりそれが答えじゃないかと思うけど」
結果を口にする前の叫びで、笑満には私の思考回路を見透かしたようなことを言った。
「そ、そりゃ私、流夜くんのこと大分すきだけど――駄目だ。流夜くん以外にそんなこと言えない……」
「じゃあ、次はそれを流夜くんに言ってみたら?」
「……言っていいのかな?」
「いんじゃない? 流夜くん基本咲桜に甘いし。怒らないでしょ」
「……うん。言ってみる」
これも答えの一つ、なのだろうか。
+
「……なるほど? そういうことになったのか」
「うん。というわけで、明日は休み時間ごとに行くので」
いつもよりは遅くなったけど、流夜くんの家を訪ねた。口で報告返しもしたかったし、なにより宣言を実行するためだ。
「どうぞ」
「なにがだ?」
私が迎合するように腕を広げると、胡乱な瞳で見られた。
「抱きついていいですよ。ちゃんと起こすから」
「……お前自身が地雷ってのはやめてくれ」
昨日の宣言を果たそうと思って来たのだが、あれ? いらなかったかな。
「今日はいらなかった?」
「毎日だってほしいところだ」
いるんだ。
「ならどうぞ」
「だから駄目だ」
「どっち」
「駄目な方だ」
「……むー、せっかく来たのに」
有言実行を流夜くんに阻まれるとは。
「……せっかく来てくれたのはありがたいが、お前は自分護るための危機感持てよ」
呆れられた。自分を護るための危機感といっても……。