「まあ……あんまりしつこかったから。そんなにたくさんはないけど。あれさえなければいい奴だし」
実際写真は上手だから、行事関係では先生からも任されていたし、と呟く。その辺りは知っている。降渡経由で調べた。
「ふーん」
髪にあてていた手を咲桜の肩に廻し、そこに額を押しつけた。
咲桜はまたびくりと震える。
「流夜……くん?」
「なんと言うか……他の男がお前に興味を持ったと聞くのは、あまり気分のいいものではないな」
「そう言われても……頼とは幼馴染みたいなものだし」
「気に入らないから、俺をそれ以上にしてくれないか?」
「以上って、どうすれば……?」
「そうだな。取りあえず……もっと近づくか」