なるほど? あの様子で追い掛け回されたならば警戒もするだろう。

合点がいった。けれど……そういう意味でも、咲桜が誰かと一緒にいると決めたというのは気に喰わない。

「……どうして、俺に話してくれなかったんだ?」

話してくれていたら、咲桜一人で悩ませなかったものを。

やはり無理にでも訊き出しておくべきだったか。

「高校は……頼のチャンスだったから」

「どういう意味だ?」

「頼、私を追い掛け回した所為で、小学校で私以外友達がいなかったの。笑満は転校生で、元が私の友達って縁で頼とも仲良くなったから。中学校ではたまに暴走してまた同級生ドン引きさせてたし」

「………」

聞くほど恐怖が増す生徒だな。

「だから、頼のあの性格を知らない子が多いここは、頼に友達が出来るチャンスだった。同性でも異性でもいいから、私たち以外にも世界を持ってほしかったの。……それが、頼のあれを隠してた理由です。ごめん。流夜くんに言わなかったのは、理由はよくわからないんだけど、ただ話したくなかったから……」

ごめんなさい、とまた頭を下げられた。

「お前、過保護だな」

感想は呆れたその一言だった。咲桜はうなだれる。

「よく言われる。庇護欲が強すぎるって」

――その所為で、俺のことも護ると言い切ってしまえるのだろう。

「……写真、撮らせたのか?」