「咲桜―! おはよっ」
月曜日になって登校途中、笑満に逢った。
「おはよー、て、え、遙音先輩?」
笑満の後方には遙音先輩がいて、当たり前のように先輩も私に手を振っていた。
「はよ、咲桜」
「おはようございます。……笑満、一緒に来たの?」
「うん。じゃあ、遙音くん。また」
「おー」
生徒が集まりだす道に差し掛かり、先輩は先に歩き出した。すぐに二年生の男子と一緒になっていた。
「笑満、遙音先輩と家近いの?」
確か流夜くんは、先輩は施設から家出して一人暮らしだと言っていた。
「少し離れてるんだけど、遙音くんが来てくれたんだ」
「なにそれっ。そんな仲良くなったのっ?」
「んー、仲良くなったわけじゃないんだけど、昨日、咲桜が流夜くんとお出かけでつまらなかったから遙音くんに連絡してみたんだ。遊びませんかーって。そしたら遙音くんが古書街にいるから来る? って返事来て。十時くらいに近くの喫茶店行って、話してたらいつの間にか夜の七時だった。びっくり」
「めっちゃ仲良しじゃん!」
気づいたら九時間経過って。
「そうかな? 昔もそんな感じだったんだけど。よく公園とかで最後まで残ってた」
「はー。元々仲いいんだね」
「でも、元には戻らないけどね」