マルグリットは申し訳なさそうにしてるが、ルーシィは首を横に振っている。
 
「何の問題もないよ。これって元々マルミーヌちゃんに譲ってもらったハイオークの素材を売ったお金で購入したものだもん。本人に返すだけの話だよ」

「ハイオーク……? もしかして、初めて会った時のオークがそれですか? ただのオークだと思ってました」

 二人もただのオークだと勘違いしていたのだ。何しろ、六歳の女の子があっさりとぶちのめしてしまったのだから。その結果、エミリアに根掘り葉掘り聞かれていたことを思い出していた。
 
「ああああああああああ、エミリアさんで思い出した。ごめん、マルミーヌちゃん。あの後、ハイオークを倒した話の過程でマルミーヌちゃんの事で口を滑らせてしまいました…… でも、名前は出してないから!」

 怒られる子供の言い訳かと思ったが、何れは冒険者ギルドに行くんだし、いいかと考えていた。本名さえバレない様にすれば本人的には問題なかったのだ。
 
「大丈夫です。想定内ですから。でもどうしましょう。それ以上にグランドホーンについては隠すの難しくないですか? お二人は元々ギルドの監視員として来てたはずなのに……」

 二人の顔面から血の気が引いていく。どうやらその事をすっかり忘れていたようで、二人でアワアワしている。少なくとも説明責任はあるようだった。
 
「ど、ど、ど、どうする? チェスカ、流石に今回は誤魔化せる気がしないんだけども?」

「うーん、何とかなるかもしれない」

 まさかのチェスカからの回答にルーシィが驚愕している。
 
「ア、アンタ何考えてるの? 本当に大丈夫なの?」

 ルーシィは滅茶苦茶不安そうにしているが、チェスカは自身満々そうに胸を張っている。
 
「うん、少なくともグランドホーンにマルミーヌちゃんが関わった事は隠し通せると思うよ」

 ルーシィがその時のチェスカの様子に何か言いたげだったが、口を閉ざした。

「では、チェスカさんにお願いしますね。あと、少年のお姉さんが心配していたので早めに送って上げたいんですよ」

 マルグリットの言葉にルーシィとチェスカが反応した。どうやら、少年の事をすっかり忘れていたようだった。
 
「ヤッバ! 眠っている少年をほったらかしにしてここに来ちゃったよ。」