グランドホーンはゆっくりと三人に近づいてくるが、その三人は呼吸すら困難な状態で顔面が真っ青になりながらも近づいてくるグランドホーンを唯々眺めていることしかできなかった。

 三人はゆっくり近づいてくるグランドホーンへのあまりの恐怖に身体が震えだし、歯がガチガチ鳴り出しているも本人たちは頭が真っ白になっており何が起きているのかさえ理解できない程錯乱していた。
 
(死ぬ…… 死んじゃう…… 助けて…… 誰か…… お願い……)

(マルミーヌちゃん……)

 錯乱しながらも今はこの場にいないはずの少女へ助けを懇願するが無情にもグランドホーンはすぐ目と鼻の先まで来ていた。
 
 グランドホーンは三人のすぐ近くまで歩いてくると足を上げ、三人を踏みつぶそうとしていた。
 
 
 
 
 
 その時!!






「だあああああああああああああああああああああああ!」

 ルーシィとチェスカは聞き覚えのある声を聞いて我に返った。声の方を向くと嘗て自分たちを死ぬ寸前で救ってくれた恩人が猛ダッシュでこちらに向かってくる姿を目撃した。
 
「どけええええええええええええええええええええええ!」
 
 恩人と思しき少女は全高5メートル程に位置するであろうグランドホーンの顔面に目掛けて飛び蹴りを入れてグランドホーンを仰け反らした。
 
 二人は夢を見ているのか幻覚を見ているのかすら理解できていない状態で少女の行動をただ呆然と眺めていた。
 
 
 
 
 
 
 
 あ!やせいのマルグリットが とびだしてきた!