それにメデリック公爵家にしても同じくらい溺愛されているのは私たちも遊びに行った時に目の当たりにしている。殿下の言う事は嘘の可能性が高いけど万が一、万が一にでも殿下の言うとりの状況を見てしまったらきっと私は立ち直れない……。 ということもあるから慎重に考えないと……。
 
「貴様らの行き先は国外しかない」
 
 なんで嬉しそうなの、コイツ。あー、ぶん殴りたい。その鼻っ面にぐーを叩き込んで差し上げたい。これでもかというほどぶち込んだ後に階段落下型スープレックス決めてガッツポーズを取りたい衝動に駆られる。
 
「マルグリット、おやめなさい。『え?なんで心が読んでるんですか?』みたいな顔してもダメよ? フフッ、あなた、わかりやすいもの。真偽の程はわからないけど、一旦、隣国に身を寄せてからそれぞれの家に手紙を出して状況を確認してみましょう。それでいいかしら?」
 
 フィルミーヌ様は私たちだけに聞こえるような小さな声で語りかけてくるんだけど、そのぷるるんとした唇を吐息がかかるほど私の耳に近づけて頂いても私は一向に構わないというか、むしろお願いしますというか!!
 
「そうですね。隣国と言えば魔導王国パラスゼクル。せっかくなので新しい魔道具のウィンドウショッピングでもしましょう。」

「観光に行くのではないのだけれど……。」






 
 私たちは味方がいない失意のどん底の中……。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 隣国への観光に胸を膨らませていた!!