僕はモリス。ヴェルキオラ教の神父という事になっている。
本職は偵察がメインの斥候だ。
現在はヴェルキオラ教に潜入しているが、正体は聖王教会の特殊部隊に所属している。
特殊部隊と言っても、実際は一芸に秀でた連中の集まりだったりする。
僕みたいに斥候は得意だけど、戦闘はそこまででもないというタイプだったり、戦闘は得意だけどそれ以外はからっきし等という奴もいる。一部例外で戦闘、斥候、家事全般なんでもござれな異常者もいるが、さすがにこの特殊部隊においても特殊な奴だ。
それなりに修羅場も潜っている。だから並大抵の事では動じたりはしない。
けれども
並大抵じゃない事が昨日起きてしまった。
というか目撃してしまった。
とある貴族令嬢がヴェルキオラ教会の建設現場の視察に来ていた。
いや、視察というより興味津々だから覗きに来たという感じだろう。
まだ小さい少女…… いや、幼女と言っても差支えない人形の様な女の子だった。人前に慣れているのか、堂々としている。
お供のメイドもこれまた小さい女の子。知らない大人に話しかけられたせいかビクビクしている。
所詮は貴族のご令嬢のごっこ遊びか、可愛いもんだなんて思った。
だが、その評価は一瞬で覆すことになる。
雰囲気が…… なんか違うんだ…… なんというか、目の前にいるのは少女のはずなのに歴戦の猛者を目の前にした様な空気がピリついた感覚。
私は唾を飲み込み、原因を探るべく『魔力視』を使用することにした。
――『魔力視』
魔力量に加えて魔力がどれほど制御できているのかを視認するための魔法。
対象を中心に靄の様なものがどれだけ溢れているかで魔力量の推測ができる。
魔力制御に関してどれだけ出来ているかは靄の濃さで判別できる。
生まれつき魔力量の多い子供は稀に見かけたりするけど、小さいうちから魔力制御をさせようなんて家庭は魔法使いの家系くらいしかない。
それでも限度というものはある。だからこの年齢辺りの子供は靄が大きく見えたとしても魔力制御が甘いから薄っぺらく見えるのが当たり前なんだ。
この少女は真逆なんだ。
本職は偵察がメインの斥候だ。
現在はヴェルキオラ教に潜入しているが、正体は聖王教会の特殊部隊に所属している。
特殊部隊と言っても、実際は一芸に秀でた連中の集まりだったりする。
僕みたいに斥候は得意だけど、戦闘はそこまででもないというタイプだったり、戦闘は得意だけどそれ以外はからっきし等という奴もいる。一部例外で戦闘、斥候、家事全般なんでもござれな異常者もいるが、さすがにこの特殊部隊においても特殊な奴だ。
それなりに修羅場も潜っている。だから並大抵の事では動じたりはしない。
けれども
並大抵じゃない事が昨日起きてしまった。
というか目撃してしまった。
とある貴族令嬢がヴェルキオラ教会の建設現場の視察に来ていた。
いや、視察というより興味津々だから覗きに来たという感じだろう。
まだ小さい少女…… いや、幼女と言っても差支えない人形の様な女の子だった。人前に慣れているのか、堂々としている。
お供のメイドもこれまた小さい女の子。知らない大人に話しかけられたせいかビクビクしている。
所詮は貴族のご令嬢のごっこ遊びか、可愛いもんだなんて思った。
だが、その評価は一瞬で覆すことになる。
雰囲気が…… なんか違うんだ…… なんというか、目の前にいるのは少女のはずなのに歴戦の猛者を目の前にした様な空気がピリついた感覚。
私は唾を飲み込み、原因を探るべく『魔力視』を使用することにした。
――『魔力視』
魔力量に加えて魔力がどれほど制御できているのかを視認するための魔法。
対象を中心に靄の様なものがどれだけ溢れているかで魔力量の推測ができる。
魔力制御に関してどれだけ出来ているかは靄の濃さで判別できる。
生まれつき魔力量の多い子供は稀に見かけたりするけど、小さいうちから魔力制御をさせようなんて家庭は魔法使いの家系くらいしかない。
それでも限度というものはある。だからこの年齢辺りの子供は靄が大きく見えたとしても魔力制御が甘いから薄っぺらく見えるのが当たり前なんだ。
この少女は真逆なんだ。