とりあえずさっさと帰らないと。

「はい、こちらこそよろしくお願いします。では、失礼します。ナナ、行きますよ」

「はい、お嬢様」

 そそくさと立ち去った私は司祭が向けてきた視線に気付いていなかった。

「モリス神父、リストにあの二人を加えておいてください」
 
「かしこまりました」