どうも、ごきげんよう。ネーミングセンス壊滅令嬢マルグリットです。
 
 咄嗟の事とは言え、あれはないと自分でも振り返って反省している最中でもあります。フィルミーヌ様にどんなお詫びをするべきかなぁ。

「マルミーヌちゃんは見た感じ八歳未満っぽいけど、まだ冒険者登録していないのよね?」

「そうです。今六歳なので二年後に冒険者登録する予定です」

 この国では冒険者登録は八歳から可能なのだ。他の国では十歳からだったり年齢制限無しなんて国もあるらしい。
 
 国ごとに民度も経済事情も異なる為、一概には言えないけど経済レベルが低い様な発展途上国は余計な制限を掛けると暴動が起き易くなるからそういう国ほど年齢制限が無く冒険者登録できるみたい。
 
 だからこそ倫理観も希薄になってしまいがちなのか、人の命を軽視する傾向にあるのか、余計な人口を増やさないようにする為の国家ぐるみの口減らしを目的として年齢制限を取っ払っているのかもしれない。
 
 そういえば、何故か発展途上国ほど一つの家庭から生まれる子供の数が多いみたいなのよね。
 
 恐らくは労働力の確保の為なのだろうけど、その労働力になるまで育てられずに亡くなってしまうことも多いとか。ままならないものよね。
 
 逆に比較的裕福な国ほど民の存在、育成を重要視しているから、無駄な被害を最小限に抑えるために制限を掛ける事が多い。
 
 私の故郷でもある、このエシリドイラル王国は裕福な部類に含まれる。
 
 裕福だと余裕があるせいなのか、ゆとり教育のせいか上位層に馬鹿が現れやすくなるけど、王子なんてその典型だと思う。
 
 アイツで思い出したけど、元はと言えば馬鹿の代名詞たるアイツがフィルミーヌ様以外の女性に手を出すから私が過去に戻る嵌めになったのよね。
 
 それにしてもアイツはフィルミーヌ様の何が気に入らなかったんだろう? 
 
 あんな美しくて性格もよく次期王妃としてあの人ほど完璧な存在なんて私は他に知らない。私が王子だったら一生愛を誓えるわ、マジで。
 
 近くにいられるだけでも幸せだというのに…… 大方、完璧すぎるフィルミーヌ様にコンプレックスでも持っていたんでしょうね。
 
 王子からフィルミーヌ様に上から目線で指摘できる様な箇所が全くなかったから。