ところがどっこい、私の場合は完全に弱体化してるわ、マジで! むしろマイナス要素まで感じられるわ。
 
 『混ぜたらキケン』とかラベルの薬品とかあったけど、まさにこの事ね! 
 
 『それを混ぜるなんてとんでもない』とかこんな場所では誰も注意してくれないし、しょうがないわね…… 諦めましょう。
 
 いつかまたフィルミーヌ様にお会いするときが来たら、やってはいけない『悪魔合体』してしまったことをお詫びしないといけないわね。
 
 結果としてフィルミーヌ様に『ワタシオマエマルカジリ』と言われても素直に受け入れるしかないわね。
 
 あの人はそんなこと絶対言わないでしょうけど。
 
「えっと、個性的で素敵な名前ね?」
 
「『マル』の時点で大分長考していたみたいだけど、もしかして今考えた感じ?」

 ストレートにぶっこんで来たチェスカさんにルーシィさんは『察しろ』と言わんばかりに肘打ちをチェスカさんの脇腹に食らわしていた。
 
「あんたね、こんな幼くて可愛らしい子供のケリでオークの首をへし折りました所を見ましたなんてギルド内で言ってみなさい。街中で一気に噂が広がるわよ」

「その前に誰も信じなくない? エミリアさんとかギルドマスターに言ったら将来有望な人材って喜んでくれそうだけど……」
 
「大多数はね、一部でも信じる奴が出てきて、その中にマルミーヌちゃんを利用しようとする奴がいたらどうするのよ?
 こんな幼い子供がこんな所で魔獣狩りしてるなんて余程の訳アリだわ。そりゃ偽名も使いたくなるわよ。
 それ以上に命を助けてもらった恩があるのに仇で返そうとするなんて私が許さないわよ」
 
 あんな頭の悪そうな悲鳴を上げておいて、思ったより思考はまともな方だわ。
 
「わ、わかってるわよ。別に酒の肴にしようだなんて考えてないから」

 いや、絶対考えてたでしょ、貴方。