どうも、ごきげんよう。無事に六歳になりました。大人の階段上る令嬢マルグリットです。
 
 『赤狼の牙』の別動隊を叩き潰してから半年が経過しました。あれからも訓練は続けていたため、日々成長できている実感はあります。
 
 かねてより考えていた六歳になったらドキッ!魔獣だらけのパラダイス『アリリアス大森林』で魔獣界デビューをして腕を磨こうと考えていたわけです。
 
 前回の人生では引きこもっていたから知識としてはあるけど行くのは初めてなのよね!
 
 場所はガルカダの南西で『魔力展開』で走っていけば十分に日帰りが可能な距離なのよね。
 
 というわけで既にアリリアス大森林まで来ているのだけど、初めて見た感想やっぱり大きいわね。すでに端から端が見えない程に遠いところにあるのね。
 
「それにしても気持ちいいわね。どうしても森に来ると森林浴気分になってダメね。裏の森と違って魔獣が生息しているのだから油断は禁物なのに」
 
 私が森に入って気が抜けそうになった直後の事に人の声が聞こえた。
 
「「ひええええええ、お助けえええええええええ」」

 え? 聞き間違えかしら? こんな素っ頓狂な助けを求めるセリフは書籍に登場する馬鹿丸出しの三枚目がヘマをした時くらいのものかと思ったけど現実に言う人いるんだ……。
 
 『ぎゃふん』並みのレア度を感じるわ。
 
 女性の声だったけど、どんな愉快な人がこんな叫びをあげたのかとても気になるわ。助けに行ってみましょう。
 
 私は声のする方向へ走り始めたが、向かう途中にも色々叫んでいた。
 
「私たちは美味しくないから~~~~~」

「豚に犯されるなんて嫌すぎるうううううう」

 複数の女性の声が聞き取れたわ。内容から敵が何なのか理解したけど、それだけ叫ぶ元気があるならその状況をなんとかしようと思わないのかしら?
 
 声がどんどん近づいてきている。
 
 ……見つけた。二人の女性が地べたに座り込んでいる。風貌的に一人は鎧と盾や剣を持っている前衛、もう一人は如何にも魔術師という恰好をしているから後衛かしら。
 
 相手はやはり『オーク』。Dランクモンスターではポピュラーなモンスターだ。
 
 オークと言えば学園時代の私とフィルミーヌ様の仲を取り持ってくれた某サイモン氏。