無常にもイザベラの最後の言葉と共に斧は振り下ろされる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 イザベ……




 ラ……?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私は見てしまった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 イザベラの首が体から離れる瞬間を私は目をそらさずに終始見てしまったのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 イザベラの首はこちらを向いており、口から血を流し、生気を失ったイザベラの目が私の目に飛び込んできた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 私の頭の中で『ブツンッ』と紐が千切れたような音がした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「フフッ、フフフッ、アハッ、アハハハハハハハハハハハハハハハハHAHAHAHAHAHA!!!!!アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハーハッハッハ!」










 
「こいつ、イカレやがったぜ」

 私の声を聞き、表情を見た盗賊は引きつった顔をしながら私の方を見ている。

「アハハハハハッ、ハァッ…… オマエラ、イッピキデモオオクミチヅレニシテヤルヨ」
 
『魔力展開』
 
 許容範囲? 知ったことか、自分の身体の事なんてもう考えない。自分の身体がめちゃめちゃになろうが全魔力でとにかく拳をコイツ等に叩き込んでやる。
 
 私を抑えつけていた盗賊どもを気にせずに立ち上がる。盗賊は必死に私を再度抑えつけようと顔を真っ赤にして押し付けようとするが、今の私の方が力は上のようだ。代償として身体全身の関節も筋肉も嫌な音が鳴り響く。
 
 そして私の左腕にしがみついている盗賊をそのままごと左腕を振りかぶり、右腕にしがみついている盗賊の顔面に拳をぶつけて陥没させる。自分の左腕も悲鳴を上げておりブチブチ音が聞こえるが何も気にしない。
 
 そのまま振りぬいた左腕にしがみついている盗賊と目が合ったので頭突きを入れて顔面を陥没させたらピューピュー血が噴き出してるの。笑える。
 
 両腕が空いたので両足にしがみついている盗賊に脳天から拳骨を入れたら面白いように頭が凹み、頭から噴水のような血を噴き出している。
 
 私の拳からも血が噴き出しているが、それを舐め取ると近くにいた盗賊はその光景を見て後ずさりしている。