「自画自賛する訳じゃないんですけど、貴方が言ったように地位があります。容姿にも自信があります。女性であれば私との関係を、男性であれば私の持ってる資産を求めて近寄ってくるでしょう。そういった欲だけの人間はいつか裏切る――だから貴方に声を掛けました」

「私が何故裏切らないと? 急に欲を出して寝首を搔くかもしれませんよ?」

「先程も言いましたよね。貴方は既に覚悟を決めている人間だと…… 目的の為なら命すら惜しまない目をしている。そんな貴方が今更なんの欲を持つというのですか?」

 そうよ、目的を忘れたらダメ。私の両親を、村の皆をを裏切って、殺してのうのうと生きているアイツ等に復讐を――それさえ叶えば私はいつ死んでも構わない。

「仰る通りです。私は復讐さえ出来ればそれで構いません。それが叶えば、残りの人生も命も私には不要ですから貴方に捧げるとお約束します」

「ありがとうございます。理想の未来の為に貴方の力を貸して下さいね」

「理想の未来? それの実現の為に共犯者が欲しいという事なんですよね? 差支えなければ司教様の理想の未来についてお聞きしても?」

「私の理想の未来とは――」

 そこで私は司教様の力を必要とする目的を知る事となる。