結局考えが纏まらない内にコンテスティ邸に着いてしまった。
馬車から降りると相変わらずチワワの様に『待ってました』と言わんばかりに嬉しそうなクララ。
「お待ちしておりました。昨日はお休みでお会いできませんでしたので寂しかったんですけど、今お会いできて全部寂しさ吹き飛んじゃいました」
はあ、こんな笑顔見せられたらこれ以上この子に負担をかける訳にはいかないと余計に考えてしまう。
ペトラの事を知ったら立ち直れないかもしれない。私がなんとかしなきゃ……。
「クララお嬢様、申し訳ございませんが代官様からの依頼がありまして一旦席を外させて頂きます。この場はマルグリット様にお任せしても宜しいでしょうか」
えー、よりによって今居なくなっちゃうの? 話が出来ないじゃーん。
けど、無理に引き留めても余計な勘繰りされるかもしれないし、ここは不自然なく対応するしかない。
「私は構いません。クララさんも大丈夫ですか?」
「大丈夫です。ペトラ、ここは気にせずに頼まれたお仕事に向かってください」
「はい、それでは失礼いたします」
まいっか。頼まれ事が終われば戻ってくるでしょ。それまではクララに集中しないとね。
「昨日はお休みでしたから感覚が鈍る前に魔力を全身に流して練度の確認をしましょうか」
「大丈夫です。お休みの日も無理のない範囲で魔力を全身に流す事は続けてましたから…… あれ?」
相変わらず真面目だなあ。それにちゃんと教え始めたら飲み込みは早いしセンスもある。
一カ月前とはまるで別人よねと思った矢先、クララの呟きをこの師匠令嬢マルグリットは聞き逃さなかったわ。
「どうしたの?」
「いえ…… なんでも…… キャッ!」
何?
凄い嫌な予感がする。
どっと汗が噴き出ている。
私の本能が訴えてる。
これだけは分かる。
このままにしておくと危険だ。
まさか…… 暴走?
「魔力循環を止めなさい!」
「止まらないんです! ヤダ、どうして? イヤ…… イヤイヤイヤ! お願い! 止まって! 止まってよおおおおおおおおおおおお」
何で? 突然何が起きたの? 魔力循環を始めるまでに違和感なんてどこにもなかったはずなのに。
馬車から降りると相変わらずチワワの様に『待ってました』と言わんばかりに嬉しそうなクララ。
「お待ちしておりました。昨日はお休みでお会いできませんでしたので寂しかったんですけど、今お会いできて全部寂しさ吹き飛んじゃいました」
はあ、こんな笑顔見せられたらこれ以上この子に負担をかける訳にはいかないと余計に考えてしまう。
ペトラの事を知ったら立ち直れないかもしれない。私がなんとかしなきゃ……。
「クララお嬢様、申し訳ございませんが代官様からの依頼がありまして一旦席を外させて頂きます。この場はマルグリット様にお任せしても宜しいでしょうか」
えー、よりによって今居なくなっちゃうの? 話が出来ないじゃーん。
けど、無理に引き留めても余計な勘繰りされるかもしれないし、ここは不自然なく対応するしかない。
「私は構いません。クララさんも大丈夫ですか?」
「大丈夫です。ペトラ、ここは気にせずに頼まれたお仕事に向かってください」
「はい、それでは失礼いたします」
まいっか。頼まれ事が終われば戻ってくるでしょ。それまではクララに集中しないとね。
「昨日はお休みでしたから感覚が鈍る前に魔力を全身に流して練度の確認をしましょうか」
「大丈夫です。お休みの日も無理のない範囲で魔力を全身に流す事は続けてましたから…… あれ?」
相変わらず真面目だなあ。それにちゃんと教え始めたら飲み込みは早いしセンスもある。
一カ月前とはまるで別人よねと思った矢先、クララの呟きをこの師匠令嬢マルグリットは聞き逃さなかったわ。
「どうしたの?」
「いえ…… なんでも…… キャッ!」
何?
凄い嫌な予感がする。
どっと汗が噴き出ている。
私の本能が訴えてる。
これだけは分かる。
このままにしておくと危険だ。
まさか…… 暴走?
「魔力循環を止めなさい!」
「止まらないんです! ヤダ、どうして? イヤ…… イヤイヤイヤ! お願い! 止まって! 止まってよおおおおおおおおおおおお」
何で? 突然何が起きたの? 魔力循環を始めるまでに違和感なんてどこにもなかったはずなのに。