グランドホーンの異常個体を討伐した以降はすっかりトラウマを克服できたのか、通常個体を見ても何とも思わなくなったし、咆哮の直撃をわざと受けてもよそ風の様にしか感じなくなってしまった。
そんな訳で常闇の森にも通う様になってグランドホーンを相手にトレーニングをしてるものの、最近は物足りなく感じてきてしまった。
あまりぶちのめし過ぎるとグランドホーンが狩れない冒険者が続出しちゃうかもしれないからと思い、適当に切り上げて家に帰った後に事件は起きた。
部屋のドアがノックされて『お嬢様、メリッサです』なんて随分珍しいわねと思った瞬間、『あれ? メリッサってお母さまと一緒に王都に行っていたはず』なんだけど……。
じゃあ、コイツは誰だと思ってとりあえず部屋に通したら紛れもなくメリッサだった。
「メリッサ、お母さまはどうしたの?」
「奥様は今も王都のコンテスティ邸宅におられます。私一人が奥様からの依頼で戻ってまいりました。終わり次第王都に引き返す予定です」
聞いた状況からメリッサが私の部屋を訪ねて来たという事は絶対に嫌な予感しかしないのだけれど、私に何を頼みたいのか皆目見当がつかないので聞くことにした。
本音としては、聞きたくないけど。
「えっと…… 念の為に聞きたいんだけど、お母さまからの依頼という話と私の部屋を尋ねた話には関連性があるのかしら……?」
メリッサはこれでもかという満面の笑みで『流石、お嬢様はご慧眼でいらっしゃいますね』なんて当てたくもない回答を出してしまった。
いや、だって絶対クララ関連じゃん。私に何をさせる気なのよ、お母さまは……。
「奥様よりお嬢様宛にお手紙を預かっております。目を通して頂けますでしょうか」
メリッサはポケットから手紙を取り出すと私に差し出してきた。
嫌々ながらも、私は手紙を受け取り、意を決して手紙に目を通すことにした。
――――――――
マルグリットちゃんへ ママです。
このタイミングで送る手紙の内容については頭のいいマルグリットちゃんの事だから大体察しがついているのではないかと思っています。
ずばり、ママの友達であるマルガレーテの一人娘であるクララちゃんの事についてです。
そんな訳で常闇の森にも通う様になってグランドホーンを相手にトレーニングをしてるものの、最近は物足りなく感じてきてしまった。
あまりぶちのめし過ぎるとグランドホーンが狩れない冒険者が続出しちゃうかもしれないからと思い、適当に切り上げて家に帰った後に事件は起きた。
部屋のドアがノックされて『お嬢様、メリッサです』なんて随分珍しいわねと思った瞬間、『あれ? メリッサってお母さまと一緒に王都に行っていたはず』なんだけど……。
じゃあ、コイツは誰だと思ってとりあえず部屋に通したら紛れもなくメリッサだった。
「メリッサ、お母さまはどうしたの?」
「奥様は今も王都のコンテスティ邸宅におられます。私一人が奥様からの依頼で戻ってまいりました。終わり次第王都に引き返す予定です」
聞いた状況からメリッサが私の部屋を訪ねて来たという事は絶対に嫌な予感しかしないのだけれど、私に何を頼みたいのか皆目見当がつかないので聞くことにした。
本音としては、聞きたくないけど。
「えっと…… 念の為に聞きたいんだけど、お母さまからの依頼という話と私の部屋を尋ねた話には関連性があるのかしら……?」
メリッサはこれでもかという満面の笑みで『流石、お嬢様はご慧眼でいらっしゃいますね』なんて当てたくもない回答を出してしまった。
いや、だって絶対クララ関連じゃん。私に何をさせる気なのよ、お母さまは……。
「奥様よりお嬢様宛にお手紙を預かっております。目を通して頂けますでしょうか」
メリッサはポケットから手紙を取り出すと私に差し出してきた。
嫌々ながらも、私は手紙を受け取り、意を決して手紙に目を通すことにした。
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マルグリットちゃんへ ママです。
このタイミングで送る手紙の内容については頭のいいマルグリットちゃんの事だから大体察しがついているのではないかと思っています。
ずばり、ママの友達であるマルガレーテの一人娘であるクララちゃんの事についてです。