グラヴェロット領を出て一週間掛けてようやく王都が見えて来たわ。
「奥様、まもなく王都に着きますが、直ぐにでもコンテスティ男爵邸宅に向かわれますか?」
うーん…… それでもいいんだけど、折角久しぶりに王都に来たんだし、ちょっとだけ見回りたいわね。
それにお土産も持って行った方がいいわよね。マルガレーテにも久々に会うのだし。
「ねえ、メリッサ。お菓子とかお土産に持っていきたいのだけれど、おススメのお店とかないかしら?」
「それは良いお考えかと思います。付近の方達に最近の王都での流行でも確認してまいります」
その発言が終わったと同時にメリッサは馬車からいなくなっていた。
相変わらずあの子って動きが素早いわね。あの子ってもしかして馬よりも早いんじゃないかしら……。
なんて考えていたらもう戻って来たわ。凄いなんてものじゃないの。この子はなんでウチにいるんだろうってたまに思うの。
侍女よりも合ってる職業が他に幾らでもあるんじゃないかしら……。
「おまたせしました、奥様。王都で人気上昇中のケーキセットにございます」
「ありがとう、メリッサ。ねえ、随分早かったけど、並んでなかったのかしら?」
「行列でしたね。ですので、裏から回ってお願いさせていただきました」
裏から……? なんで今裏からが当たり前みたいに言ってるのかしら?この子……。
魑魅魍魎渦巻く貴族社会を生き抜いてきた私から見ても謎の生態を持つメリッサ。
そうだわ! 今後マルグリットちゃんに行う淑女教育の一つとしてメリッサの尋常ならざる動きを見せて表情を相手に悟らせない訓練に参加してもらおうかしら。
きっとマルグリットちゃんもメリッサの動きを見たら『ズコーッ』っておったまげるに決まってるわ。楽しみね、ウシシッ。
「奥様…… この間お嬢様に注意されていた表情を奥様も一瞬されておりました。ご注意ください」
いけない。私とした事が…… 娘のこと言えないわね。それにしてもやっぱりメリッサの眼力は凄いわ。これは是非とも協力してもらわないと……。
なんて考えてたらコンテスティ邸宅に到着したわ。
「お待ちしておりました、グラヴェロット子爵夫人。奥様が応接間にてお待ちしております」
「奥様、まもなく王都に着きますが、直ぐにでもコンテスティ男爵邸宅に向かわれますか?」
うーん…… それでもいいんだけど、折角久しぶりに王都に来たんだし、ちょっとだけ見回りたいわね。
それにお土産も持って行った方がいいわよね。マルガレーテにも久々に会うのだし。
「ねえ、メリッサ。お菓子とかお土産に持っていきたいのだけれど、おススメのお店とかないかしら?」
「それは良いお考えかと思います。付近の方達に最近の王都での流行でも確認してまいります」
その発言が終わったと同時にメリッサは馬車からいなくなっていた。
相変わらずあの子って動きが素早いわね。あの子ってもしかして馬よりも早いんじゃないかしら……。
なんて考えていたらもう戻って来たわ。凄いなんてものじゃないの。この子はなんでウチにいるんだろうってたまに思うの。
侍女よりも合ってる職業が他に幾らでもあるんじゃないかしら……。
「おまたせしました、奥様。王都で人気上昇中のケーキセットにございます」
「ありがとう、メリッサ。ねえ、随分早かったけど、並んでなかったのかしら?」
「行列でしたね。ですので、裏から回ってお願いさせていただきました」
裏から……? なんで今裏からが当たり前みたいに言ってるのかしら?この子……。
魑魅魍魎渦巻く貴族社会を生き抜いてきた私から見ても謎の生態を持つメリッサ。
そうだわ! 今後マルグリットちゃんに行う淑女教育の一つとしてメリッサの尋常ならざる動きを見せて表情を相手に悟らせない訓練に参加してもらおうかしら。
きっとマルグリットちゃんもメリッサの動きを見たら『ズコーッ』っておったまげるに決まってるわ。楽しみね、ウシシッ。
「奥様…… この間お嬢様に注意されていた表情を奥様も一瞬されておりました。ご注意ください」
いけない。私とした事が…… 娘のこと言えないわね。それにしてもやっぱりメリッサの眼力は凄いわ。これは是非とも協力してもらわないと……。
なんて考えてたらコンテスティ邸宅に到着したわ。
「お待ちしておりました、グラヴェロット子爵夫人。奥様が応接間にてお待ちしております」