翌日、朝食終えた文月は、あやかしのことについて勉強をすることにした。
──優衣さんと華さんに聞いたり、本を読んだりしたら少しは分かるかしら。
この世に生まれてから、生きていればいいと思っていたが、何かをしたいと思うのは初めてだった。
ある程度の学力はついているが、あやかしの国とは恐らく色々と異なる部分がある。
そこを学んでいかなければ、と文月は考えた。
「二人とも、少しお願いがあるのだけど……」
仕事中なのに申し訳ないと思いながら、少し躊躇いがちに話しかける。
「「なんなりとお申し付けください!」」
「……その、もし良ければでいいのだけど。あなた達のことをもっと知りたいから、色々と教えて欲しいの」
二人は、顔を見合わせて瞳に涙をうっすらと浮かべていた。
「わ、私たちのことを知っていただけるなんて……恐悦至極!」
「ああ、神よ……!」
「ふ、二人とも、どうして泣いて……?」
文月は心配したが、二人が大丈夫だと言うので、それ以上はなにも言えなかった。