日を見たのち、俺は山へと出向いていた。
「ご同行できること、俺たち、誇りに思いますぜ! 領主様!」
はじめは、一人で行くつもりだった。
テンマ村の背後に聳える山は、深い森になっているため、瘴気が濃く魔物を引きつけやすい危険地である。
その頂上付近などは、どんな強敵が伏せているか知れたものではない。
万が一にも、仲間を危ない目に合わせたくなかった。
そのため、ついてきたがるシンディーも振り切ってきたのだが、
「ハッハハ! 俺たちクマベア族は、基本的に近郊にある『白狼の森』を拠点としてきたが、あの山には獲物を取るため何度か入った。水源までの案内なら、任せてください! 過去に行ったことがありますから」
クマベア族の代表・クマリンがこう申し出てくれたので、受けることにした。
彼らほどの強さなら、自衛くらいはできよう。
そして、受け入れた理由はそれだけではない。