俺は、村人たちが作業に勤しむのを手伝いつつ、唖然としてしまっていた。

「もしかして、毎回そうやって水を汲んでいるのですか?」
「領主様! 今日も、お力を貸していただきありがとうございます。お慕い申し上げます。
 はい、これこそ私たちの生活を繋ぐ大切な水ですよ。川の水と違って、塩が混じってないんです」

若い村人の一人が作業ながらに教えてくれる。

もう妙齢だろうに、同じ年頃の女性と比べると素朴で屈託のない笑みを浮かべていた。
彼女にとってそれは、疑うべくもなく当たり前の作業なのだろう。

先ほどから彼女は、湧水の出る小さな沢と畑の往復を繰り返していた。
水を桶で汲んできては、畑に万遍なく撒きつける。

「……なんというか、手作業ですね。わたくしたちの時代では、見たことない光景かもです」

シンディーは、瞬きを繰り返して、不思議そうにその光景を見ていた。

農具の改善をしたとはいえ、これでは効率化に程遠い。
そして、村人たちの疲れも明らかだ。

見てられなくなって、俺は畑の外れで錬金術を使うこととする。用意したのは、館に残っていた魔石と木材や鉄の欠片だ。

「ディル様、まさか……?」
「そのまさかだよ。シンディーと一緒に錬金をやってきたおかげで、俺もだいぶこの魔法を扱えるようになってきたからな」


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【古代召喚】
四千年前の古代を生きた者の魂を実体とともに、現代に復活召喚させ、従わせる。
 また、そのスキルと同等の能力を得る。

(利用可能能力)
・龍の神力 レベル3/5
・錬金術 レベル3/5

 領主ポイント 800/1000

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その証拠に、錬金術のレベルは順調に伸びていた。

使える技量がついてきたうえ、俺には白龍の魔力がある。