「久々に街らしい街を見た気がするなぁ」
「へぇ、これが4000年後の街ですか! こんなものを見られるなんて、わたくし感激ですっ。へえ、面白い建物もありますね」

馬車で行っても、テンマ村からは二日、歩いたならば約一週間。

村から最も近場にある街、ボーリックシティまでは、そんな途方もない距離であったが、白龍に乗ればものの数刻だ。

険しい山も川も厭わず、彼はなんのそので越えていった。

「でも、なんというか。わたくしたちの時代とは、また少し違った趣ですね。もう少し、街全体の開発がされていたような気がします」
「そうなんだ? でも、今の時代だと、これはかなり進んでいる類に入る街なんだけどな」

とくに、地方の中では目立って発展している都市の一つである。
その証拠に、きちんと警備隊が配備されており罪人の収容所もあった。先ほどそこへ、捕えた蛮族達を引き渡したばかりだ。

予想外だったのは、彼らが札付きであったことである。

田舎で捕まえた者を、この街で、奴隷として売っていたらしい。

警備隊もかなり手を焼いていたようで、思いがけず、たっぷりの報奨金を手にしていた。