倒れた賊を見るや、
「なんて強さ。俺らが苦しめられてきた敵を一瞬で」
唖然とするもの、
「おぉ、本当に強い! こんなに腕が立つ人を見たのは初めてだ」
「俺たち、もう怯えて暮らさなくてもいいのか……? おぉ、領主様!!」
叫び声をあげて歓喜するもの。思い余って、泣き出してしまうもの。
さまざまな反応を見せていた。
もはやちょっとしたお祭り騒ぎである。総じて、喜んでくれているようだった。
俺は、ほっと安堵の息をこぼす。
それから、突っ伏した賊たちの元へと屈んだ。手加減をした甲斐あってか、ちゃんと息は繋ぎ止めている。どうやら気を失っているだけらしい。
「ディル様、こいつらどうするんですか?」
「うん。目が覚めたら、他の仲間の場所を聞き出そうかな。さっき、自分のことを副隊長だとか言ってたし」
「おぉ、拷問からの乗り込みですか! かちこみですか!」
「言い方は物騒だけど、そういうこと」
村へやってきたのは、10人ほどだが、まさかこれが構成員の全てではなかろう。
不安をもたらす因子は、早急に取り除いてしまうのが、領地経営の鉄則だ。
この機に、一網打尽にしてしまおう。
俺は、そう計画を立てるのだった。
____________
【古代召喚】
四千年前の古代を生きた者の魂を実体とともに、現代に復活召喚させ、従わせる。
また、そのスキルと同等の能力を得る。
(利用可能能力)
・龍の神力 レベル2/5
・錬金術 レベル2/5
領主ポイント 400/1000
____________