「えっと。俺が主人っていうのが、よく分からないんだけど、どういうことだ……?」
「ふむ、初めてならば無理もない。どうやらそのスキルで、召喚されしものは、そのまま主人の配下となるらしいのだ。事実、ここへ召された時点から、吾輩は主を主人として認識していた。命を再び授けてくれたそなたをな」
「……君ほど強い龍が、俺の配下に? 俺はただの元文官だぞ? 魔法もさっき使ったのが初めてだし」
「ふっ、強さのバランスを気にしておるのか。主人となったものは、配下にした者と同等の力を得るのだから、問題ない。それは、先ほど体感しただろう?」
……言われてみれば、さっき俺はたしかに火の玉を口から吹いたのだっけ。
実感に乏しかったが、今やってみても火は出るのだから、もう疑いようがなかった。
翼もないので、さすがに飛べるわけではなさそうだが。
「そういえば、【古代召喚】っていうからには、過去の時代から来たのか?」
「うむ、そのようであるが、詳細までは分からぬ。だが、なにか、そのスキルの詳細を見られぬのか」
「あぁ、そうか。ステータスボードか」
思わず、手槌を打つ。
外れスキルだと思い込んでから、もう幾年。見られることすら、忘れてしまっていた。
前まではスキル名の表示しかなかったが、
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【古代召喚】
四千年前の古代を生きた者の魂を実体とともに、現代に復活召喚させ、従わせる。
また、そのスキルと同等の能力を得る。
(利用可能能力)
・龍の神力 レベル2/5……体内の魔力が白龍と同等になり、その聖なる力を扱うことができる。
領主ポイント 1000/1000 残り一回召喚できます
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レベル表示や説明書き、さらには妙なポイント表示が加わっている。