「なにこれ。萎える」
学生課職員の児島は由香奈の胸元を見て真顔でつぶやいた。
「嫌がるのを無理矢理も良いけど、ここまでガード固いと、どうでもいいわ」
ミチルさんのプロテクターは完璧だ。ほっとして由香奈はブラウスのボタンを嵌め直す。
「君がしてほしいなら舐めるけど」
「……っ」
由香奈はものすごい勢いで首を横に振って、相談室のパイプ椅子の上で体を縮こませる。
「で、ボランティアね。いいと思うよ。偽善者ぶって点数稼ぎかって嫌う輩もいるけど、人にどう見られるか気にして動かないよりずっといい。ボランティアの経験をアピールする学生はそれだけ多いから、どれだけ自分が活動に貢献できたかを推せないと意味ないよ」
なるほど、と由香奈は素直に頷く。やるからには頑張らないと。
「大丈夫? ほんとにやるの? ウェイトレス」
クレアは心配してくれたけど、由香奈は決意を込めてこくりと頷く。
「相手は子どもだし……それならなんとか」
健気な由香奈の言葉に、園美さんがにこおっと笑うのをクレアはじとっと見上げる。
「そしたらね、当日にはぜひ可愛い格好でお願いしたいな。メイドさんに近い感じで」
園美さんの要望を聞いたとたんに、ざーっと由香奈の顔が強張る。
「メイドさん……」
「由香奈、メイド服持ってなかったっけ?」
クレアが言ったが、すぐ直後に余計なことだったというふうに眉をしかめた。
「ごめん、捨てるって言ってたよね」
「……ううん、まだある」
由香奈は力なく首を横に振る。服に罪はない、そう言ったのはクレアだ。それでなんとなく捨てにくくなってしまった。持っていたからって使うこともないと思ってたけど。
「あるの? それなら衣装代助かるわあ」
衣装って、そもそも給仕するだけならエプロン一枚ですむのじゃないだろうか。やっぱりやるなんて言わなきゃ良かった。由香奈は鼻の頭に汗を浮かべて膝の上で手を握る。
学生課職員の児島は由香奈の胸元を見て真顔でつぶやいた。
「嫌がるのを無理矢理も良いけど、ここまでガード固いと、どうでもいいわ」
ミチルさんのプロテクターは完璧だ。ほっとして由香奈はブラウスのボタンを嵌め直す。
「君がしてほしいなら舐めるけど」
「……っ」
由香奈はものすごい勢いで首を横に振って、相談室のパイプ椅子の上で体を縮こませる。
「で、ボランティアね。いいと思うよ。偽善者ぶって点数稼ぎかって嫌う輩もいるけど、人にどう見られるか気にして動かないよりずっといい。ボランティアの経験をアピールする学生はそれだけ多いから、どれだけ自分が活動に貢献できたかを推せないと意味ないよ」
なるほど、と由香奈は素直に頷く。やるからには頑張らないと。
「大丈夫? ほんとにやるの? ウェイトレス」
クレアは心配してくれたけど、由香奈は決意を込めてこくりと頷く。
「相手は子どもだし……それならなんとか」
健気な由香奈の言葉に、園美さんがにこおっと笑うのをクレアはじとっと見上げる。
「そしたらね、当日にはぜひ可愛い格好でお願いしたいな。メイドさんに近い感じで」
園美さんの要望を聞いたとたんに、ざーっと由香奈の顔が強張る。
「メイドさん……」
「由香奈、メイド服持ってなかったっけ?」
クレアが言ったが、すぐ直後に余計なことだったというふうに眉をしかめた。
「ごめん、捨てるって言ってたよね」
「……ううん、まだある」
由香奈は力なく首を横に振る。服に罪はない、そう言ったのはクレアだ。それでなんとなく捨てにくくなってしまった。持っていたからって使うこともないと思ってたけど。
「あるの? それなら衣装代助かるわあ」
衣装って、そもそも給仕するだけならエプロン一枚ですむのじゃないだろうか。やっぱりやるなんて言わなきゃ良かった。由香奈は鼻の頭に汗を浮かべて膝の上で手を握る。