皆が通ってきた初等部や中等部の知識もなく、一般常識の範囲外の分野だから一文字も回答することが出来ない。

一限目から三限目の授業もずっとこんな感じで先生に当てられては答えられず、みんなからの助け舟も無駄にしてしまってすっかり自信を喪失していた。


奉仕報告祭あとの一周目の授業は、どの学校も同じなのか先生の自己紹介や授業の内容、教科書の確認だけで終わった。

所々で分からない言葉はあったけれど、後で先生やみんなに尋ねたり自分で調べることでなんとか乗り切ってきた。


ちょっと自信がついた頃に週末を迎え、「これから頑張らなきゃ」と自分を鼓舞した週明けの月曜日、いきなり言葉の通じない異世界にでも飛ばされた気分になった。

中学校に通っていた頃は、勉強も苦ではなかったし教師に当てられて答えられないということは無かった。

受験する予定だった高校だって、私が住む地域では公立の中の進学校だと有名だった。


けれど神修に来て、これまで習ってきた勉強が何一つ通用しなくなった。



助けてくれる皆に申し訳なくて、答えられない自分が恥ずかしくて、職員室で先生たちは私のことをどんな風に話しているんだろうなんて考えて、教室に居るのが苦しくてたまらない。