朝、目を覚ましてリビングに行くとこいるがいた。探しに行かなきゃと思って早起きしたものだから目を丸くすると、彼も私に気が付いてソファーから近寄ってきた。
 不安になるほど寂しそうな顔で、私の手を取って自身の頬に寄せる。

「こい、る……」
「こうするとさ、安心する。……俺、お前が好きだ」

 金色の瞳が、覗き込んでくる。朝日を取り込んで真っ直ぐ私だけを見つめ、好きだ、ともう一度囁く。

「一晩考えたんだ。俺がお前に向ける気持ちは何なのか。もっと遊びたい。もっと笑わせてやりたい。もっと楽しみたい。それはペットのそれなのか。……でもさ、何を考えても横にいてほしいって思った。やっとわかった、どういう形であれ、これは愛だって」
「愛……?」
「お前を嫁に迎えたい。いいか?」

 思わず、相槌を打ちそうになった。それくらい自然な誘いだが、思い止まるのも早かった。
 あまりにも飛躍した話で、え、と大声を上げて飛び退いた。