明日、白井文花に話をしに行こう。僕たちは何も間違っていなくて、一人の人間に恋をしただけなのだと伝えに行こう。きみは凄い、だから泣かなくてよいと、きみの人生に光を。


それから今日、蓮に連絡をしてみようと思う。ブロックされていたらそれはそれだ。手を尽くして、きみに会うところまで絶対にたどり着いて見せよう。生憎、僕はそういうのがわりと得意なのだ、蓮は知らないかもしれないけど。あの時の僕はまだ未熟で、臆病で、蓮を追いかける勇気がなかった。フツウじゃなくなることが怖かった。


大丈夫。世界が僕らに追いついていないだけ。フツウは偉くない。面白くてキモチワルイ僕たちのほうが、フツウよりはるかに魅力的。

もしまた会うことが出来たなら、今度こそ、風見 蓮の横顔を完成させたいと思う。




白か黒かきめたがる世界で、灰色の僕たちは1枚上手。





完.