「伯母上。そなたが華衣を、ここに閉じ込めたと聞いた。華衣のみならず、関係のないご両親までもを巻き込み、彼らに深い苦しみを味わわせたこと――決して許さぬ」
浬烏が右手を突き出し、何かを握るような素振りをする。すると伯母は急に喉元を抑え、苦しみだした。
「やめて、浬烏!」
華衣は慌てて駆け寄り、浬烏の腕を掴んだ。
「こんなことをされて、華衣は怒らないのか!?」
「怒るよ! めっちゃムカつくよ! でも、恨みを恨みで返しても、何も残らないでしょ!」
浬烏ははっとして手を下ろす。すると、伯母はそこに倒れ込んだ。
「すまない。……私はまた、華衣を傷つけたな」
華衣は首を横に降った。
「ううん。怒ってくれたのは、嬉しかったから」
「そうか」
浬烏の目が優しく細められ、華衣の胸は跳ねた。どうしようもなく、好きだと思う。
「浬烏、私――」
ゴゴゴゴゴ。
突如、当たりに巨大生物の呻きのような音が響いた。木々がざわめき、鳥たちが一斉に飛び立つ。
「地鳴りだ! 山が崩れる!」
浬烏が叫んだ。同時に高く飛び上がり、ざわめく木々たちに音の方向を聞く。
「あっちの山だ! 皆、早く逃げろ!」
村人たちは只事ではないと、一斉に駆け出した。しかし、華衣はそこから動けなかった。
「神の怒りよ……神が怒ってるの……あんたの、せいで」
足元で、まだ倒れたままの伯母がそう言うのだ。
「華衣も早く逃げろ! 私にも限界がある!」
浬烏は必死に手を裏山にかざし、崩れそうな山を神通力で抑えている。
「でも!」
華衣は伯母を引き摺った。自分が悪い。だったらせめて、この人を救いたい。
浬烏が右手を突き出し、何かを握るような素振りをする。すると伯母は急に喉元を抑え、苦しみだした。
「やめて、浬烏!」
華衣は慌てて駆け寄り、浬烏の腕を掴んだ。
「こんなことをされて、華衣は怒らないのか!?」
「怒るよ! めっちゃムカつくよ! でも、恨みを恨みで返しても、何も残らないでしょ!」
浬烏ははっとして手を下ろす。すると、伯母はそこに倒れ込んだ。
「すまない。……私はまた、華衣を傷つけたな」
華衣は首を横に降った。
「ううん。怒ってくれたのは、嬉しかったから」
「そうか」
浬烏の目が優しく細められ、華衣の胸は跳ねた。どうしようもなく、好きだと思う。
「浬烏、私――」
ゴゴゴゴゴ。
突如、当たりに巨大生物の呻きのような音が響いた。木々がざわめき、鳥たちが一斉に飛び立つ。
「地鳴りだ! 山が崩れる!」
浬烏が叫んだ。同時に高く飛び上がり、ざわめく木々たちに音の方向を聞く。
「あっちの山だ! 皆、早く逃げろ!」
村人たちは只事ではないと、一斉に駆け出した。しかし、華衣はそこから動けなかった。
「神の怒りよ……神が怒ってるの……あんたの、せいで」
足元で、まだ倒れたままの伯母がそう言うのだ。
「華衣も早く逃げろ! 私にも限界がある!」
浬烏は必死に手を裏山にかざし、崩れそうな山を神通力で抑えている。
「でも!」
華衣は伯母を引き摺った。自分が悪い。だったらせめて、この人を救いたい。