「リコン、だと?」
「はい、どうやら祝言とは逆のこと。離縁のことを人はそう呼んでいるらしいです」
浬烏が言うと、神の声は聞こえなくなった。同時に雅楽のような音も止まり、華衣の背に緊張が走った。怒らせてしまったかもしれない。
『村を天災で潰したいの!?』
華衣の脳裏には、伯母に言われた言葉が繰り返されていた。もしも自分のこのふるまいのせいで、村に何か大きな災害が起きてしまったら。そう思うと、華衣の心は恐怖に震えた。とんでもないことを言ってしまったかもしれない。
「考えてやらんでもない。ただし、条件がある」
しばらくの後、神の声が聞こえて華衣は胸をなでおろした。
「……何でしょう?」
華衣はそっと口を開く。
「浬烏との子を成せ」
「子を成す…………――子を成す!?」
華衣は口の中で神に言われたことを繰り返し、その事実を飲み込むと思わず吐き出すように大声を上げた。しかし、神は声色を変えずに続けた。
「浬烏とまぐわり、子を成せ。なれば、お前は人の世に帰っても障りない」
「はい、どうやら祝言とは逆のこと。離縁のことを人はそう呼んでいるらしいです」
浬烏が言うと、神の声は聞こえなくなった。同時に雅楽のような音も止まり、華衣の背に緊張が走った。怒らせてしまったかもしれない。
『村を天災で潰したいの!?』
華衣の脳裏には、伯母に言われた言葉が繰り返されていた。もしも自分のこのふるまいのせいで、村に何か大きな災害が起きてしまったら。そう思うと、華衣の心は恐怖に震えた。とんでもないことを言ってしまったかもしれない。
「考えてやらんでもない。ただし、条件がある」
しばらくの後、神の声が聞こえて華衣は胸をなでおろした。
「……何でしょう?」
華衣はそっと口を開く。
「浬烏との子を成せ」
「子を成す…………――子を成す!?」
華衣は口の中で神に言われたことを繰り返し、その事実を飲み込むと思わず吐き出すように大声を上げた。しかし、神は声色を変えずに続けた。
「浬烏とまぐわり、子を成せ。なれば、お前は人の世に帰っても障りない」