勝見君以外の、男の子の手。
同じ男の子でも、全然違う。
大きさも、感触も、その温もりも。
そんなのあたりまえなのに、無意識に、昨日つないだ勝見君の手と比べていた。
そして、切なくなった。
勝見君と手をつないだのはつい昨日のはずなのに、もうずっと昔のように感じる。
そして勝見君はもうすでに、私のそばにはいない気がした。
もうずっと遠くに行ってしまったような気がした。
そう思うと、苦しくなった。
また涙があふれてきそうになる。
胸のあたりが、ぐっと痛くなる。
思い出の中の勝見君の感触を逃がしたくなくて、捕まえていたくて、私は思わず、園田君の手をぎゅっと握ってしまった。
それは、勝見君の手ではないのに。
勝見君の手には、なりえないのに。
「保健室、行こうか」
そう言って、園田君は私の手を取ったまま、ゆっくりと立ち上がった。
「立てる?」
その声に促されてゆっくりと立ち上がった。
その時、
「俺が保健室連れてくから」
肩がグイッと引かれた拍子に、私の手はするりと園田君の手から離れていく。
そしてその手は、再び強い力に包み込まれた。
「行こ」
小さく低く放たれた声に返事をする間もなく、ものすごい力で手を引かれていった。
「……勝見君」
小さく漏れ出た声に、勝見君は反応しない。
いつも私の歩調に合わせた心地よいペースは、どこにもない。
私と勝見君の足並みが、乱れる。
勝見君の速さに、ついていけない。
勝見君の顔は前に向けられたままで、表情は読み取れなかった。
私はそんな勝見君の背中を、小走りで追った。
同じ男の子でも、全然違う。
大きさも、感触も、その温もりも。
そんなのあたりまえなのに、無意識に、昨日つないだ勝見君の手と比べていた。
そして、切なくなった。
勝見君と手をつないだのはつい昨日のはずなのに、もうずっと昔のように感じる。
そして勝見君はもうすでに、私のそばにはいない気がした。
もうずっと遠くに行ってしまったような気がした。
そう思うと、苦しくなった。
また涙があふれてきそうになる。
胸のあたりが、ぐっと痛くなる。
思い出の中の勝見君の感触を逃がしたくなくて、捕まえていたくて、私は思わず、園田君の手をぎゅっと握ってしまった。
それは、勝見君の手ではないのに。
勝見君の手には、なりえないのに。
「保健室、行こうか」
そう言って、園田君は私の手を取ったまま、ゆっくりと立ち上がった。
「立てる?」
その声に促されてゆっくりと立ち上がった。
その時、
「俺が保健室連れてくから」
肩がグイッと引かれた拍子に、私の手はするりと園田君の手から離れていく。
そしてその手は、再び強い力に包み込まれた。
「行こ」
小さく低く放たれた声に返事をする間もなく、ものすごい力で手を引かれていった。
「……勝見君」
小さく漏れ出た声に、勝見君は反応しない。
いつも私の歩調に合わせた心地よいペースは、どこにもない。
私と勝見君の足並みが、乱れる。
勝見君の速さに、ついていけない。
勝見君の顔は前に向けられたままで、表情は読み取れなかった。
私はそんな勝見君の背中を、小走りで追った。