昨日の大雨が嘘のような快晴になった。
グラウンドの調子も悪くない。
このからりとした天気のおかげで一気に乾いたようだ。
まるで夏の暑さを連れ去るかのような心地よい風が、グラウンドの砂利をさらさらと転がしていく。
今日はまさに文化祭日和だった。
だけどこの場所だけは、特別暑かった。
よく晴れた屋外で、たこ焼きの湯気にまみれながら、熱い鉄板とすでに一時間戦っている。
心地よい風が吹いているとはいえ、その風を感じている余裕はない。
園田君のパフォーマンスのおかげで、うちのクラスのたこ焼きは飛ぶように売れていく。
焼いたそばから売れていき、焼きあがるのを待たせている状態だ。

キャベツなどの具材をまんべんなく入れて、その中にタコを一つずつ落としていく。
私がもたついている間に、生地はどんどん焼きあがっていく。
その隣で、園田君のピックがせわしなく動く。
その動きに、お客さんの視線が集まる。
誰も私のことは見ていないとわかっているのに、その視線がこちらにも集まっているようで、変なプレッシャーを感じていた。
衣裳代わりの法被の中で、汗が滝のように流れていくのを感じながら、私はひたすらタコを入れていく。