「よし、これでいいかな。ごめん、行こっか」
ぼうっとしていた私の手からすっとスマホを抜いて、勝見君は再び歩き出した。
私もそれに合わせて歩き出す。
だけど、私の視界でちらちらと動く勝見君の腕が気になって仕方なかった。
__触れたい。
その気持ちを煽ってくる。
腕を伸ばせばすぐに届く場所にその愛おしいものはあるのに、私はなぜかそれをためらってしまう。
勝見君を好きになってもう一年が経った。
付き合って、もうすぐ一年を迎えようとしている。
それなのに、恋人っぽくすることの気恥ずかしさがなかなか抜けなかった。
月日を重ねるほどに、それを難しく感じてしまう。
普通逆だと思っていた。
時間を重ねれば、自然とやってのけられるものだと思っていた。
それなのに、いちいちドキドキしてしまって、結局私にはできない。
行動を起こしてくれるのは、いつも勝見君からだ。
手をつなぐのも、抱きしめるのも、キスをするのも。
こんな時、素直に甘えられない自分が全然かわいくなくて、嫌になる。
さっきみたいに、衝動に任せてやってしまえばいいのに。
それでも、女子から向かっていくなんて、ちょっと引くかな、なんて、余計なことを考えたり心配して遠慮してしまう。
目の前で揺れる愛おしい腕を目で追うことしかできないくせに、勝手に胸が締め付けられる。
ぼうっとしていた私の手からすっとスマホを抜いて、勝見君は再び歩き出した。
私もそれに合わせて歩き出す。
だけど、私の視界でちらちらと動く勝見君の腕が気になって仕方なかった。
__触れたい。
その気持ちを煽ってくる。
腕を伸ばせばすぐに届く場所にその愛おしいものはあるのに、私はなぜかそれをためらってしまう。
勝見君を好きになってもう一年が経った。
付き合って、もうすぐ一年を迎えようとしている。
それなのに、恋人っぽくすることの気恥ずかしさがなかなか抜けなかった。
月日を重ねるほどに、それを難しく感じてしまう。
普通逆だと思っていた。
時間を重ねれば、自然とやってのけられるものだと思っていた。
それなのに、いちいちドキドキしてしまって、結局私にはできない。
行動を起こしてくれるのは、いつも勝見君からだ。
手をつなぐのも、抱きしめるのも、キスをするのも。
こんな時、素直に甘えられない自分が全然かわいくなくて、嫌になる。
さっきみたいに、衝動に任せてやってしまえばいいのに。
それでも、女子から向かっていくなんて、ちょっと引くかな、なんて、余計なことを考えたり心配して遠慮してしまう。
目の前で揺れる愛おしい腕を目で追うことしかできないくせに、勝手に胸が締め付けられる。