案の定、由美との待ち合わせ時刻ギリギリに到着した。
同窓会会場は、昔行った、あのスポーツカフェだった。
苦い思い出が不意に蘇って、胸のあたりをきりきりとさせる。
先に到着していた由美は男性となった男子たち二、三人囲まれて話している。
由美は相変わらず美人だ。
高校生の時も美人だと思っていたけど、あの頃の幼さはすっかり抜けて、すっとした大人美人になっている。
私は、どんなふうに見えるだろう。
あの頃と、何か変わっただろうか。
半年前に同窓会の案内が届いたとき、出席しようかどうか迷った。
思い切って『参加』に丸をしたはいいものの、会うのが怖かった。。
どんな風に再会を果たしていいのかわからなかった。
なんて声をかけたらいいのか。
どんな顔して会えばいいのか。
会って、何を話したらいいのか。
何もかもがわからなかった。「あ。あかりー」
その声にはっとして私は表情を作り直して小走りで由美に近づいていく。
すると、周りの男性陣たちの興奮気味な声に迎えられた。
「え? 坂井さん? めっちゃ可愛くなったね」
お世辞だとわかっていながらも、なぜか体中の体温が上がっていく。
お世辞に対して律儀にぺこぺこと頭を下げていると、「はいはい、受付しよう」と由美が私の腕を引っ張ってさらっていった。