思い出を整理しては消すようにとぼとぼと歩いていると、いつの間にか、ずいぶん遠くまで来ていた。
目の前にあったのは、以前行った語学カフェだった。
場所なんてもうあやふやだったのに、まるで導かれるようにここに立っていた。
だけどもちろん入るつもりはなかった。
それなのに、ぼーっと立っているうちに、背後から「ハーイ」なんて声をかけられ、そのまま流れるような英語と共にカフェの中に入っていた。
「レッツエンジョイ」
それだけが、耳をつんざくように響いた。
そしていつの間にか、無料体験レッスンを受けていた。
と言っても、お茶をしながら話すだけだった。
サービスでお茶とお茶菓子が出された。
それが運ばれてきたとき、胸がざわついた。
爽やかな白のカッターシャツに、カフェエプロンをつけた背の高い男性に、どきんとした。
折り曲げられた長袖カッターシャツの袖から延びる長い腕に戸惑った。
だけど、「ごゆっくり」という声も、その言葉と共に向けられた笑顔も、私のその胸のときめきをあっさり消していった。
目の前にあったのは、以前行った語学カフェだった。
場所なんてもうあやふやだったのに、まるで導かれるようにここに立っていた。
だけどもちろん入るつもりはなかった。
それなのに、ぼーっと立っているうちに、背後から「ハーイ」なんて声をかけられ、そのまま流れるような英語と共にカフェの中に入っていた。
「レッツエンジョイ」
それだけが、耳をつんざくように響いた。
そしていつの間にか、無料体験レッスンを受けていた。
と言っても、お茶をしながら話すだけだった。
サービスでお茶とお茶菓子が出された。
それが運ばれてきたとき、胸がざわついた。
爽やかな白のカッターシャツに、カフェエプロンをつけた背の高い男性に、どきんとした。
折り曲げられた長袖カッターシャツの袖から延びる長い腕に戸惑った。
だけど、「ごゆっくり」という声も、その言葉と共に向けられた笑顔も、私のその胸のときめきをあっさり消していった。