僕はゆっくりと、心臓が反応する方へ視線を向けた。
そしてその姿を認めた瞬間、僕の瞳孔が一気に見開く。
口がぽかんと開き始める。
息が止まる。
口元が何か叫びたがって、フルフルと震えた。

__僕のことも、見て。

声にならない代わりに、心の中でそう叫んだ。
だけど、彼女と視線が重なることはない。
彼女の瞳に映るものが何なのか、僕はもう気づいてる。
だけど僕は、決して彼女から目を離さなかった。

__僕を、見て。

今度こそ、君から視線を離さないから。
あの頃、すぐにそらしてしまった視線。
逃げてしまった視線。
誤魔化した視線。
今度こそ……

彼女に背中を向けたままのあいつをちらりと目の端でとらえると、僕は一気に息を吸い込んだ。

__届け、僕の声。

君と恋する準備は、できている。
いやもうすでに、君を見つけた瞬間から__