「おお、園田。来たか」

広瀬が昔と変わらない、はつらつとした呼びかけで僕を手招く。
広瀬の声に、周りにいたみんなの視線が、一気に僕の方に注がれた。

「幹事なのに遅刻すんなよ」
「時間通りだろ」

スマホで時間を確認すると、確かに待ち合わせ時刻より少し遅れている。
仕方がない。
駅のトイレで髪や服装をばっちり整えていたんだから。
まあそんなこと、言えるわけないんだけど。

広瀬と話していると、突然周りにいた女子たちが色めきだった。

「え? 園田君?」
「すっごいかっこよくなった」
「園田君って、こんな感じだっけ?」

確かに僕は卒業してから、見た目を変えた。
僕が変えたんじゃない。
広瀬がやった。