「大丈夫」 「え?」 「だから、大丈夫なんだって」 「何が大丈夫なんだよ」 「俺の直感は、いつだって正しいってこと。だから、大丈夫」 「なんだよ、それ」と苦笑いする広瀬に、俺は「ははは」とだけ笑って見せた。 俺と広瀬の間の空気が、少しずつ晴れやかになっていく。 「そろそろ時間だろ? 行こうぜ」 俺が足を前に踏み出すたびに、ポケットの中では鈴がころころと鳴る。 歩き出した先から、ようやく俺にも、さわやかな風が吹きつけてきた。