だけど、そもそもの出来が違う私に、勝見君と同じことができるわけがなかった。
勉強はわかりやすくそれを伝えてくれた。

校内の学力テストの結果や外部の模試の結果が掲示されるたび、そこに二人で名前を連ねるのは夢のまた夢だった。
個人面談で先生に「第一志望はちょっと……」なんて現実を突きつけられると、まるで勝見君の彼女であることを否定されている気分になる。
先生は私たちが付き合っていることなんて知らないだろうし、そもそも、そんなこと知ったこっちゃないんだろうけど。

一緒の大学に行きたい。
これからも一緒にいたい。
その気持ちは確かで、その気持ちだけが勉強のモチベーションになっているはずなのに、思うような結果が出ない。
「私には無理だよ」って誰かに言われているような気がして、強い気持ちが薄れていく。

まだ受験生になったばかりなのに、まだ始まったばかりなのに、もうすでに、受験に疲れて押しつぶされそうになっていた。