「大丈夫だよ」
「え？」
「俺が坂井さんに一目ぼれしたんだから、この恋は絶対うまくいく。だって俺の直感は、いつだって正しいんだから。俺が一目ぼれしたんだから、上手くいくに決まってんじゃん。だから、大丈夫。俺となら、坂井さんの一目ぼれの恋だって、上手くいくよ」

俺の言葉に、坂井さんの瞳が大きくなる。
口が少しだけ、ぽかんと開けられている。
俺はその唇に、親指でそっと触れた。
止まっていた坂井さんの体がビクンとはねる。

「俺は、坂井さんに一目ぼれしてよかったと思ってるよ」

大きくなった瞳にじんわりと潤いが戻ってくる。
その目元も口元も、にふにゃりと情けなく曲げられた。